ヨイコノミライ完全版 4 (IKKI COMICS)

ヨイコノミライ完全版 4 (IKKI COMICS)

ヨイコノミライ完全版 4 (IKKI COMICS)

4巻が出るのを待ってまとめ買いした。
これは、素晴らしい仕事です。この物語をよく限られた書下ろし枚数の中で完結させてくれた。拍手喝さいしたい。

オタクのぬるま湯的サークル活動を描いていながら「げんしけん」とは対極に位置するのがこのマンガ。登場人物はリストカッターで僕女、電波で押しかけ厨、etc…と簡単に分類できるくらい典型的で、またコミカルにデフォルメされているのですが、そこに何故か、自分や友達の姿が垣間見えるのです。読みながらイタタな自分に身悶えする、そんなマンガです。

しかし、痛い部分を散々暴きながら出版社が倒産・絶版になったため、未完になっておりました。それが書き下ろしを加えて完全版刊行するとのこと。一体どう落とし前をつけるのかと思っていたら、不安の種を孕みながらも希望を感じさせる幕引きに、ええと、感動しました。

ところで「ヨイコノミライ」と「げんしけん」の違いが、単純に高校生と大学生の違いだったら嫌だな、と思いました。つまりオタクでも頭が良ければどうにかなる、ということだったら嫌だな、と。


以下ネタバレ。


最初、瞬・桂坂のカップル成立はいらないエピソードじゃないか、という気がした。何故かというと、折角他人に依存する自分を一度殺して桂坂さんが再生したのに、また依存相手が現れては意味が無い気がしたから。それにオタクの道が修羅の道なら恋愛もまたそう、だろうし。だけど、考えてみると、カップルが成立することで掬い上げられたのはむしろ瞬の方で、だとしたらやっぱり必要なエピソードなんだよね…。
平ちゃんには早く傷を癒して幸せになって欲しい。