同人誌の感想

お礼が遅れましたが同人誌の感想を頂いておりました。どうもありがとうございます。励みになります。

●三糸ひかりさん
http://d.hatena.ne.jp/miitohikari/20100626#p2

文学フリマの立ち話で伊藤さんと話をした時に、「こんなテーマだったら何を書きますか?」と訊かれ、半分ユーモア半分本気で「そのテーマと全く関わらないことを書き連ねてアクロバチックに挑みます」とか答えた記憶がありますが、テーマ本はそうでもしないと似通ってだいたいつまらなくなるという経験からの防衛反応です。あとは、やっている本人がそういうのを好むというのもあります。

 

 で、絶対移動中。まだ全部読んでませんが、これぐらいばらけるとまとまっていてもおもしろい。

 高橋さんのは4ページでもスリリング。

 橋本さんの妄想は、もっと妄想を爆発させたものも読ませて欲しいなあと渇望する感じ。

 伊藤さんのは何というか、伊藤さんで安定。

 ……名前で読んじゃってますね、それも一手でしょうけれども。

 

 名前読みできるというのは、楽と言えば楽で、でも、盛大に上滑りして読む可能性があるから、できれば望ましくないところで、気をつけないといけませんねぇ……とか言いつつ、ばりばり名前読みするのが私ですが。

 

 次の文学フリマで橋本さんに会ったら、もっと妄想をお願いしますと頼み込まねばなりません。いいタスクができました。

三糸さんは次号にゲスト参加していただく予定です。うふふふふ。

●秋山真琴さん
http://d.hatena.ne.jp/sinden/20100626/1277521166

絶対移動中『絶対移動中 Vol.7 IT文学』伊藤鳥子さん(id:torico)編集の合同誌、以下寸評。蜜蜂いづる「フラグメンツ」チャットログをそのままコピペしたような形式の作品。タイトル通り断片を繋ぎ合わせたような作品で、すべてを組み合わせると一枚の大きな絵になるのかと思いきや、そういうわけでもない模様。「特定した」の一言には全身鳥肌。こわいにゃあ。森皿尚行「佐々木先輩のケータイ小説」軽快な科白回しが心地よかったです。性別トリックはわりと早い段階で分かりましたけれど、それでも二度読ませる面白さがありますね。鳥久保咲人・中澤いづみ・牟礼鯨「中澤いづみを探せ!」未読。牟礼鯨「情報時代の愛」狂った愛情を描くのは上手いと思ったけれど、陰陽の点滅による二進法から、塩基配列による四進法に移るという下りで首を傾げてしまいました。そこは量子コンピュータでしょう! と思ったり。橋本賢一「クリアなざわめき」割愛します。高橋百三「復元する私」Googleマップに撮影されてしまっている人々のことを思いました。彼らは自分が気がつかないうちに撮影されて、Googleマップに地図情報として記載されてしまっていることを知っているのでしょうか。秋山自身だってそうです。いつの間にか、撮影されてしまっているのかもしれません。本人はおろか、撮影した側も、保存している側も知らない、そのひとの存在していた証。牟礼鯨「題名のないケータイ小説」まあ。橋本賢一「ちたまの望み」回廊というキーワードを見て、なんとなく色々と思い出したり、思い返したりするかと思いましたが、別にそんなことはなかったです。伊藤鳥子「コーヒーかオレンジジュース」これは面白かったです。亡くなってしまったひとの作品が、ネット上にいつまでも残り続けるという幻想は、別に目新しくとも何ともないですが、これはニコニコ動画をそれに重ねたのと、後は、純粋に青春小説として極上。今回の絶対移動中はテーマが良かったのか、バラエティに富み、いろいろと楽しめました。

たくさん感想を書かれています。マメだ!見習いたい!