IT文学〜前振り

この本では小説のIT化を試みています。

小説のIT化とは何でしょうか? 電子書籍やケータイで綴られる小説では媒体は紙からIT機器に変わっています。しかしIT機器に記述されている小説の内容が旧態然では片手落ちであると考えます。IT、つまりコンピュータ・ケータイ・ネットワークなどで得られた経験を文学的主題にぶちこんでこそ小説のIT化です。
ITの普及めざましい昨今、ITでの経験を文学に持ち込むことは現実を記述する上で必須であるとも言えます。それにインターネットやケータイに表されるように現状のITは文字中心の文化です。文学と相性が良くないはずがありません。
原稿が集まってみると特に調整しなかったにも関わらず各作品の題材はほとんど重複しませんでした。また題材が違うにも関わらず根底にはコミュニケーションという共通の課題があるように見えました。それぞれの視点の違いを読み比べてみてください。
ちなみにこの同人誌もITがなければ成立しません。原稿作成から編集・入稿まで全てパソコンで行っているので同人誌作りの最初の作業はパソコンの電源を入れることです。
文学も電気がなければ始まらないのです。