新刊「奇妙」のご案内

メルマガクリルタイさんに新刊のPR文を応募させていただきました。こちらにも加筆修正したものを掲載しておきます。メルマガは12月1日配信だそうです。本当に載るのでしょうか。ドキドキ。


■「絶対移動中」は小説を中心にマンガ・写真などを掲載する雑誌スタイルの合同誌です。文学フリマで発行のvol.8のテーマは「奇妙」、小説の虚構性を思い切り楽しんでいただこうという企画です。最初から騙されるつもりで読んでください。気持ちよく騙されて「なんて奇妙な話だ」とため息をついていただければ幸いです。



表紙再掲載。


■ゲスト様の作品紹介


「非常口の少女」鳥久保咲人さん(Lumiere)
緑の非常灯に描かれた愉快な棒人間を自分の妹だと言い張る幼馴染に困惑する私の物語。本当に奇妙です。


「誰かのお庭」三糸ひかりさん(ソベルテクァイユ)
浮遊する言霊に誘われて幸福なお庭のビジョンを幻視する詩に近い作品。洗練された言葉を堪能してください。


「sofija,その回転」泉由良さん(白昼社)
小説中心で活動されている泉由良さんがマンガを描いてくれました。くるくると回転する言葉に翻弄される少女のモノローグ。少女マンガで文学です。


ハーメルン」高橋百三さん(温泉卵と黙黙大根)
朝のオフィス街で見かけた不思議な人の列、そこでは誰もが意外な人物に出会うという…。百三さんらしい心の柔らかい部分に触れるお話です。


■レギュラー陣の作品紹介


「口結び」 有村行人(橋本賢一)
夜の街に幽かに響く見事な口笛の音色に惹かれ男は口笛の主に弟子入りを志願する。そこで課せられたのは口結びという不思議な練習方法だった。日常の中に開かれた異界への入り口です。


「その者の名は」 秋山真琴(雲上回廊)
ローズロード辺境伯のその日の寝覚めは最悪であった。身の回りに不審なことが多すぎる。点と点を線で結んだ先に浮かび上がってきたのは…。ミステリー仕立ての一品です。


「話して尊いその未来のことを」 蜜蜂いづる
若者の性への関心は完全に失われてしまった。大人から性的な知識を強制的に刷り込まれる世界で春日と若林が抱く互いへの淡い想い。過激な描写がいづるさんらしいです。


「眠れぬ夜の夢」 文:伊藤鳥子 絵:くりまる
くりまるさんから先にイラストを頂いてそれを元に小説を書くという企画でした。くりまるさんの三枚のイラストを元に地方都市の寂れた三叉路で起こるちょっと不気味なできごとを描きました。イラストの温かさと小説の寒々しさのミスマッチを楽しんで下さい。