「90の昼と90の夜」踝祐吾(Quantum EDiter)

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震災チャリティー本。岩手県内陸部在住の踝さんが震災後の生活について語った本です。

もともと踝さんのエッセイ的な文章は好きなのだけど、これはとても良かった。内陸で被災したという中途半端な被災者であることが被災者と支援者の両方の視点を持つことを許しとてもバランスのいいものになっている。

興味深かったのが物流に関する話で、ガソリンが入るようになってからは荷物が翌日に届いたと書いてある。首都圏では(買占めもあったとは言え)店頭から物がなくなり宅急便は届かずじんわりと困ったのだけど、被災地の荷物を優先しているので物流が滞っていると言われていた。あのときの我慢が無駄にならなかったことに少しホッとする。

この本は突貫で書いたらしくとても薄いのだけど、もっと読みたいのでもう少し書き足して出しなおして欲しいなあ、と思っている。